なにもないこいものがたり



「お友達も出来ました、先生方とも仲良くなることが出来ました」

体験したこと、指を折って数えては思い出して嬉しそうに笑うその顔がもう可愛すぎて食っちゃいたいよ止まんなくなる


お嬢様の一つ一つの言動や行動
そのせいで俺は苦しんだり嬉しくなったり

ホント俺、操り人形かよ



「後、
サナの隣にも、なれました」


ふと最後に言われた言葉
ほらね、あり得ないくらいに鼓動の音が大きくなって早くなった



「サナ、私は」

「待って」


俺は気付けばお嬢様の言葉を遮ってた


「それ以上、言わないで 下さい…」

「何故、ですか」


そんなの  決まってる



「俺が、もたない です」


お嬢様の言いかけた言葉のその先を、勝手に良い方に解釈してる俺

予想なんて、理想なんて、
ただのその人の願望や、欲望でしかなくて


逃げてるだけなのかもしれない、現実から


だから、きっと俺は先を聞いてしまって予想通りじゃなかったらきっと



泣く、絶対、100%!