何か進展があったら連絡する、と、ケントの母さんが約束してくれて、僕は電話を切った。



僕のあこがれで、
ヒーローだったケント。



悪そうだけど真面目で心優しいケントが、傷害事件。



僕にとっては、全然繋がらない話だった。



見た目通り、とんでもないヤツだったと謳う世間の声が怖い。



違うだろ、ケント?
教えて欲しい。



今のケントは、何を思うのか。



ぐるぐると回転する思考は、ひっきょう妥当な答えに行き着くことはなく、時間だけが過ぎていった。