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次の日、学校に行くとお騒がせ男(佐野)に話し掛けられた。
「おっはよ、望夢♪」
目もくれずスルー。
「お前さぁ〜この前から無視し過ぎだぜ?」
『……………』
「っておい!また、無視かよ!?」
"あ〜うぜ…朝っぱらから…"
明らさまに嫌な顔をしている望夢。
それでもしつこく付きまとう佐野。
ところが突然佐野が足を止めた。
「一馬の為だろ?高校入ったの」その言葉を聞いた望夢は立ち止まった。
と言うより、動揺してしまった。
佐野の口から《一馬》という名前が出たからだ。
『何でお前が一馬の事を知ってる…』
後ろを振り返り、佐野を睨む。
「そう睨むなって…お前が睨むとまぢで怖ぇんだから…!!」
望夢は睨むのを止め、佐野に向き直った。
「一馬とは小学校以来のダチだったんだよ。アイツが転校してから会うことはなかったけどよ…。
お前の事は、駿さんから聞いた」
『へー…』
「興味なさそーだなぁー」
『興味ねんだもん』
「はっきり言い過ぎ…。俺のガラスのハートが…」
『意味わかんねー。何がガラスのハートだよ。ただのお騒がせ野郎だろ…』
「はぁ〜?ピュアな俺の心をよくも…!!」
『バーカ』
走り去る望夢。
「あっ!ちょっ、おい!逃げんなよ!!」
"アイツ女のくせに走るの速ぇ!!"
と思いながら、必死に追い掛ける友哉クンなのでした☆
