LOVE〜強さに隠した涙〜



4月11日 水曜日

湘葉高校の一生徒となった織田望夢。
自分のクラスである1年C組を目指す。教室に入るとクラス中の視線を集めた。しかし、何事もなかったようにもとの騒がしさに戻る。机にスクールバックを置くと屋上へ向かった。
今日はブレザーでは無く、鷹のスカジャンに腕を通していた。

ポケットが震えた。携帯のバイブだ。携帯を開くとディスプレイには"非通知"の文字。
恐る恐る通話ボタンを押すと、

「あっ!出た♪」
と聞き覚えのある声。だが、誰だか思い出せない。

『誰?』
としかめっ面で訊く。
「はぁ〜?冗談よせよ♪俺だよ、俺、俺!!」
『オレオレ詐欺かよ…』
「んな訳あるかっ!!俺だよ、佐野友哉!!」
『知らねぇー…』
「知らねぇーって…。お前、人殴っといて…痛かったなぁ〜腹…」
『お前、もしかして…――"お騒がせ男"!?』
「何だよ!!"お騒がせ男"って!!俺はお騒がせ男ぢゃねえ!!」
『で、何でアタシの番号知ってんの?』
友哉を無視し、望夢が訊く。

「ヒミツぅ〜♪塚、無視すんなよぉ〜」
『あっそ。ぢゃあ』
そう言って一方的に電話を切った。