しかし、望夢はそれどころじゃなかった。
望夢の頭の中は佐野の言葉で埋め尽くされていた。
"唯一の女子なんだから"
唯一の女子…
唯一の女子…
唯一のじょし?
嘘だろぉーーーー…
『な、なぁ…唯一の女子って嘘だろ…?』
さっきまで無視していた佐野友哉に訊いてみた。
「んな訳じゃないじゃん(笑)もしかして望夢って天然?」
『違ぇし!!てか、呼び捨てすんな!!』
「良いぢゃん♪ダチなんだからさ★」
『誰がダチだってんだよ…馴れ馴れしくすんな』
「ケチっ(~3~)」
『ケチぢゃねぇ!!とっととどっか行け!!』
「ぶぅー…(-3-)」
口を尖らせ、ふて腐れる佐野。
それを無視し、屋上を探し始めた。
どっこだぁ〜…?ここか?
案の定、そのドアの外には青く染まった雲一つない綺麗な空と、コンクリートで作られた地面があった。
