『でさ、なんで急に高校行こうと思ったんだよ?』 素朴な疑問を訊いてみた。 「……………俺のお袋癌なんだ…」 『…………ガン』 思ってもみなかった返事に望夢がおうむ返しに呟く…。 「もう、治んねぇんだって…だから、最期くらい高校行って親孝行しようかなって…」 お調子者の一馬の目が真剣になっている。 望夢は一馬を抱き締めた。 何も言わず、ただ静かに抱き締めた…。