[もー‥なんだよそれ。 本当、ずるいって] 片手で目元を隠しながら 涙声でそう言う先生。 [先生の傷を消すことはできな いけど‥‥、これからを一生懸命 生きてくことが、その子が 望むことなんじゃないかな] その言葉に顔をあげた先生は 目から静かに涙を流しながら、 [‥‥あ、りがとな] そう、ぽつりと呟いた。