[お兄ちゃんっ見つけたよ] その声に顔をあげて 歩き出す俺に悠紀は両手で ぶんぶんと手を振っている。 たった幅2メートルくらいの道路。 車だってめったに通らない。 嫌なくらい空は晴れていて 太陽に熱せられたアスファルトの 陽炎でぐらぐらと視界が波打っていて。 [悠紀‥‥ッッ!!] 俺のほうに無邪気な笑顔で 走ってきた悠紀は‥‥―