金髪ヤンキーと保健室の変人は。




[卒業まで後、何ヵ月だっけ?]



[えっと‥1ヵ月ぐらい]



[1ヵ月かぁー。]



髪をぽりぽりかきながら
保健室のベッドに腰をおろした先生
の隣にあたしも座る。



[俺、美胡のこと手放すとか
絶対ヤダから。]



先生の目に浮かぶのは
不安の色。



[だからどこにもいくなよ。]



先生がときどきみせるその
胸が痛くなる表情には

どんな意味があるのか。



あたしは返事の代わりに
先生の手を握りしめた‥―