「ここから先に行きたいなら、私を倒していきなさい。」




剣を中段に構える。






「『イギリスの聖剣(せいけん)』か…。」




呟きながら、大雅は蓮達が空港に入ったのを見た。







「空港に入られたか。退くぞ、燐。」





「わかった。」




大雅と燐が武器を戻し、大きく後ろへ飛んで、その場から離脱する。それを見たアリューゼは剣を鞘に入れ、空港へ向かった。





…………………。



……………。



………。






「助かりました、アリューゼさん。」




蓮はアリューゼに頭を下げる。







「いいのよ。あの子、連れて行くのね。」




アリューゼはベンチで魔里の隣で座る沙羅を見る。






「はい、うちの学園で保護します。」




「そう。まあ、あなたのところなら安心ね。」




腕を組ながら微笑むアリューゼ。






「最近、涼さんに会ってないんですか?」





「ゴホッ!?」




知佳の兄である涼の名前を出されてアリューゼは咳き込む。





「な、なんで!?なんであの人の名前がでるのよ!」




「いえ、なんとなく。」




クスッと笑いながら蓮は言う。






「ま、まあ、あの人が会いたいと言うなら、会ってあげてもいいけど…。」




「聞いておきますよ。」




「ほら、もう時間よ。行きなさい。」