「目標確認した。会長の命により、目標を破壊する。」
道路に仁王立ちした翼が、遠目にリムジンを見つけ、グローブをつけて地面を殴る。
リムジンに向かってコンクリートが隆起していく。リムジンは急ブレーキをして停止した。
「冷子!傘!第一目標は北の狼だ、他は後でいい!」
「あはっ☆了解。」
翼の左隣にいた冷子が日本刀を鞘から抜く。
「…………。」
右隣の傘が頷き、自分の身長の2倍はある巨大な戦斧(せんぷ)を肩に乗せる。
「2人とも、先に行きなさい。空港に行けば、学生は手を出せない。私もすぐに追いかる。」
アリューゼが剣を抜く。
「すみません、アリューゼさん。」
魔里の手を引いて空港に向かって走る蓮。
「私も戦いた〜い!」
「お前がいると邪魔になるからダメだ。」
暴れる魔里を脇に抱えて走る。
「逃がすかぁぁぁぁ!!」
蓮と魔里に向かって斬りかかる冷子。
「相手を間違えるな。」
その間に入ったアリューゼが剣で冷子を受け止め、軽々と弾き飛ばす。
「ッ!?こいつ…。」
冷子は翼達の所まで、バックステップで移動する。
「お前が力負けか…。何のためのバカ力だ?」
「うるせぇ!!それより、あいつ…北の狼より強いかもしれねぇぞ、翼…。」
……………………。
……………。
……。
空港の近くで、大雅と沙羅がいた。
「ぐあっ!?」
鳩尾を殴られ沙羅が吹き飛ぶ。
