「ねぇ、この人は誰?」
制服を着ている蓮のスカートを軽く引っ張りながら言う魔里。
「私はアリューゼ・ヴィストレア。イギリス政府・陸軍元帥(げんすい)です。よろしく、かわいいお嬢さん。」
「げんすい?」
魔里が首を傾げる。
「イギリス軍での階級だ。元帥は大将の上、つまり最上級に位置する。家の名前じゃなく、実力で登りつめた人だ。たまに時間があるとき、稽古をつけてもらっている。」
「すごい人だね〜!」
目を輝かせながらアリューゼを見る。
「それより蓮、うちの妹は元気?」
「ええ、元気ですよ。それにエリーゼのおかげで、学食の売上が右肩上がりです。」
「あの子…変わってないのね…。栄養より、気品を身につけてほしいんだけど…。まあいいわ、とりあえず送って行くわ。」
「魔里も仕事終わったし、一緒に行く〜!」
………………………。
……………。
……。
3人はリムジンに乗り、空港へ向かう。空港が窓から見えるくらい近づいたとき。
