蓮が応接室のドアを開ける。そこにはアルフォードと、その前に座る少女がいた。
「ん?君は確か…円の。」
「鳳凰学園1年・生徒会補佐及び会長見習い。神谷円の妹、神谷魔里です〜。」
無邪気に笑いながら自己紹介する魔里。
「契約の手続きでな、円くんの代わりで来てくれた。」
紅茶を飲みながらアルフォードが言う。
「ねぇねぇ、あなたが円お姉様の親友?」
「ん?ああ、神崎蓮だ。それよりじいさん、反乱軍の重要拠点は全て潰した。ヤツらもいないようだし、日本に戻るよ。」
「そうか、ありがとう。送って行こう、また襲われるかもしれないしな。」
アルフォードが立ち上がろうとしたとき、応接室のドアが開く。
「お祖父様(じいさま)。その役目、私が引き受けますわ。」
部屋に入ってきたのは、薄いが頑丈そうな鎧を身にまとい、腰に剣を携えた女性。髪はロングでウェーブがかかった金髪。
「アリューゼ。戻って来ていたのか。」
「はい、今さっき戻りました。」
アルフォードに向かって片膝をつき、頭を下げる。
「久しぶりね、蓮。私がいない間、反乱軍と戦ってくれたと聞いたわ。兵士も助けてくれたとも。陛下に代わり礼を言います。」
アリューゼが立ち上がって言う。
「いえ、私は仕事をしただけですから。」
