「ありがとう、お嬢さん。とてもお上手でしたよ。」
踊り終わり、アルフォードは片膝をつき、蓮の右手にキスをする。
「ドレスを見つけたときから、こんなことだろうと思いましたよ。」
クスッと笑いながら言う蓮。
「蓮、今まで我が国の力になってくれてありがとう。」
立ち上がって、アルフォードが言う。
「最後まで協力できずに…申し訳ありません。」
「お前は私にとっては孫みたいなものだ。だからな、たとえ残り少ない命でも、幸せに生きてほしい。お前は誰かの幸せのために戦ってきた、今度はお前が幸せになる番だ。」
「人を殺(あや)めてきた私が幸せなってもいいのでしょ―――」
言い終える前に、アルフォードに抱きしめられる。
「全ては、こんな世界にした私達大人の責任だ、お前は悪くない!こんな優しい子が幸せになっていけないはずがない!!」
「ありがとうございます。」
…………………。
…………。
……。
次の日、朝から蓮は反乱軍の重要拠点を次々に落としていき、イギリス政府の優位性が確定し、蓮はアルフォードの屋敷に戻る。
