「蓮様。これを。」
ユリアは切り分けたメインのお肉をスプーンに乗せて蓮の口元へ近づける。
「はむ。もぐもぐ…。」
「どうです?」
「うまいにゃ〜!」
ニッコリと笑いながら答える蓮。
『か、かわいい〜!!』
メイド達が目をハートにしながら叫ぶ。
「メイド長!私にもさせてください!」「私にも!」「私もやりたいです!」
メイド達が次々に蓮に料理を運ぶ。
「幸せだにゃ〜!」
……………………。
……………。
……。
夕食を終え、蓮は2階への階段がある大広間にあるイスに座っていた。
「頭痛い…。」
「ほら、水だ。」
アルフォードが水の入ったグラスを持ってきて蓮に渡す。
「ありがとうございます…。」
水を飲みながら、礼を言う。
「ふぅ…。」
少し痛みがマシになり、落ち着く。
膝に置いたグラスを見つめていると、それを遮るようにアルフォードの手のひらが見え、蓮は見上げる。
「お嬢さん。一曲、踊ってくれるかな?」
「ヘタな私でよければ。」
アルフォードの手を取り、2人は広間の中心で踊る。2階からメイド達が2人を眺めていた。
「私より、エリーゼの方がよかったのでは?」
「あの子と踊ると、足を踏まれ、途中で腹が減ったと逃げられるのでな。」
「フフフ…。それはお気の毒ですね。」
踊りながら話す2人。
