「私も鎮圧に参加したんだ。そこで保護した。」
蓮の言葉に沙羅の目から涙がこぼれる。
『もしも〜し?』
「レ…ンか?わた…し、沙羅だ…よ。」
『沙羅…お姉ちゃん…。ホントに?』
「無事だった…んだな。」
『蓮お姉ちゃんが助けてくれたの。でも、お母さんとお父さんが……。』
電話の向こうでレンが泣いている。
「うん…。いいんだよ、レンが無事だっ…たんだから。お母さ…んもお…父さん…も喜んでる…よ。」
『お姉…ちゃんも無事で、喜ん…でるよ。』
「うん、うん…。良かった、本当に良かった…。私、1人ぼっちに…なったかと…思った。」
『会えるよね?お姉ちゃん。』
「うん。もう少し待ってて。」
最後にバイバイと言って電話を切り、蓮にケータイを返す。
「ありがとう…北の狼。」
「これがレンのいる孤児院の住所と電話番号だ。」
ポケットから出したレシートの裏に書いて、沙羅に渡す。
「借りは返す。」
「いや、さっき話を聞いてくれただけで十分だ。」
「ふざけんな!妹を助けてくれたのと、話を聞いただけじゃ釣り合いが取れねぇ!!」
真剣な顔して言う沙羅を見て、蓮は微笑む。
「な、何笑ってんだよ!?」
