牛乳と猫スーツ。




「母子家庭だったんだ。4年前、母親が再婚した、相手はイギリス人。すぐに子供が産まれて、妹ができた。」




沙羅は他県の中学校に行くことにしていたので家を出た。夏休みなどの長い休みの日には家に帰り、家族仲良く日々を過ごした。





だが、去年の末、父親のイギリスの実家に行った時。








「ドイツの最新戦車が家を街を全て壊した。そのとき私はロンドンにいて、そのまま避難させられた。安全が確認されて戻ったときには、街はただの瓦礫の山になってた。住人は全て死んだと聞かされた。でもどこかで生きてるんじゃないかって、捜してる。」




沙羅は首から下げていたロケットを開ける。そこには沙羅に似た女性と金髪の男性、沙羅の膝に座る女の子の写真があった。







「妹の名前…ムカつくけど、テメェと一緒でレンって名前なんだ。」




「ッ!?」




写真と名前で思い出し、蓮はケータイで電話をする。そしてケータイを沙羅に渡す。






「何だよ?」




「いいから。」




蓮に強引に渡されたケータイを耳に当てる。







『もしもし〜?蓮お姉ちゃん?』





「……ぁ…………ぅ……。」




聞き覚えのある声に、沙羅の目が赤くしながら蓮を見る。