「あの子は私が止める。あなたは残り少ない命を楽しみなさい。おじいさん、イギリス政府との契約、蓮の後任はうちの学園が引き受けます。また後で代理をよこすわ。それじゃ。」
円は名刺をアルフォードに渡し、長刀を持って部屋を出た。
「蓮……。」
「すみません…部屋で少し考えさせてくれますか…?」
「ああ、ゆっくり考えなさい。」
蓮はコーヒーをテーブルに置いて部屋を出た。
2階にある客間の1つに蓮はユリアに案内される。
「蓮、食事はどうする?」
部屋のドアを開けたユリアが尋ねる。
「いらない。」
うつむきながら言う蓮を見て、ユリアは何も言わずに部屋を出た。
客間なのだが、最高級のホテルのように豪華で、お姫様ベッドのような天蓋が付いたベッドに、蓮は服を脱ぎ、下着姿で倒れ込む。
「(円の言う通りだな…。)」
枕に顔をうずめながら心の中で呟く。徐々に眠たくなってきて、蓮は目を閉じて眠りについた。
……………………。
……………。
……。
【4年前】
とある研究所内にサイレンが鳴り響く。
「蓮!早く!!」
長刀を白髪の女の子。神谷円13歳。
「わかってる!C4(プラスチック爆弾)をセットするから時間を稼いで!」
厳重なロックを解除して部屋に入る銀髪の女の子。神崎蓮13歳。
