午後12時14分。4限目の歴史の授業中だ。そして今、歴史の授業特有の黒板の約1.5個分の字をノートに写す作業を終えて、これまた歴史の授業特有の催眠呪文のような長話を聞かされている。




まだ催眠呪文だけなら耐えられるのだが、朝のHRでこーちゃん先生が「見飽きたので席替えをしま〜す。」といきなり自分勝手な提案を出したのだ。



しかしその突然の提案のおかげで、窓際後ろから二番目というポジションをゲットすることができたのは素直に嬉しい。悠斗も前の席だし、優華は右斜め前だし、彩華は隣という仲良しフォーメーションを作る事にも成功したのだが、4月の暖かな太陽の光が催眠呪文と合わさり襲い掛かっているのだ。






ノートには全て写したし、歴史担当教師が今話している『気になった今日のニュース』というプチ情報的な話しは確実に聞かなくてもいいと理解しているし、「では教科書を開いて」という教師の最初の言葉で寝た悠斗を見習って目を閉じたいのだが、なぜか反発して目を開けようとする自分がいる。