「そんなわけないでしょ。私達、中学の頃から裏側で仕事してたの。一応政府側に属したから、細胞を保管されちゃったわけ。これでわかるでしょ?」
「日本が極秘で行っているクローン兵か。」
日本政府が学生の遺体と賞金を交換するのは、優秀な個体のクローンを作り、兵隊とするためである。
「後に私と円が名を上げたから、科学者が私達の細胞を使って、より強い個体の開発を行った。止めよう円と2人で乗り込んだときには、すでに燐が作られていた。」
「この子に罪は無いって蓮が言って、2人でバレないように育ててたのよ…蓮は養子にまでするし。でも、私達2人の自由気ままな性格が見事にあってね。飛び出して行ったのよ。まあ、ちょうど私達が険悪ムードのときだったから、その空気に耐えられなかったのかもね。」
円が置かれていたクッキーを口に入れるが、甘すぎて吐き出していた。
「ちょっと待て、お前達のクローンと言うことは…。」
「じいさんの想像通り、あの子は円の不死身の力を持っている。さっき見たように私の力も、そして技も。」
「この世の終わりを宣告された気分だな…。しかし、蓮の力は確か寿命を引き換えにする。あの子も長くは生きられんだろう。」
「残念だけどそれはないのよ、おじいさん。よくわからないけど、あの子の力は命を消費しないの、寿命がくるまで死なないわ。」
口直しのコーヒーを飲んで落ち着く円。
「方法はないのか?」
「ある。不死身の力は無限じゃない、許容範囲を越えればダメージが通る。燐の、私の力は完全ではないから脅威とは言えないから。」
