「ママとパパが相手か…。ちょっと難しいかな?」





「燐、引き上げるぞ。」




大雅が燐が持っていた刀を取り上げる。






「俺達は引き上げる。追撃するならかまわないが、できればこの場は互いに退かないか?」





「引き上げるんなら、さっさと行きなさい。私達も何の準備も無しに戦いたくないわ。」





「さすがは南の吸血鬼、賢明だ。それではまた。」




大雅達が引き上げる。砦の中から出てきた傘が、ペコッと頭を下げて大雅達を追いかけた。





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【ヴィストレア邸】




応接室にアルフォード、蓮、円の3人がいた。





「人工的に作られた?あの少女が?」




アルフォードが目を丸くしながら言う。







「そう、私と円の細胞から作られた存在。言わば2人のクローン。」





「お前達が承知して作ったのか?」