「ぅ…………ぐっ…。」




蓮は必死に起き上がろうとするが、全身に痛みが走り、立ち上がることができない。






「ねぇ、ママ。私と一緒に来て。」




燐が落ちていた冷子の日本刀を拾いながら言う。






「バカ娘……私の答えくらい…わかるだろう…。」





「そんなママ…嫌い。」




燐が刀を、蓮へ振り下ろす。






キィィィン!




振り下ろした刀は、長刀によって防がれた。








「まったく、親に刃向けるなんて、そんな育て方してないわよ。」




風に揺れる白い髪、短い黒いセーラー服から見えるヘソにはピアスが光る。






「遅かったな…円。」





「娘に殺されかけて笑ってんじゃないわよ、蓮。」




燐の刀を止めたのは円だった。







「パパ!」




燐がニッコリ笑う。






「だから、私は男じゃないからパパと違うって何回言えばわかんのよ、バカ娘。」




燐の刀を振り払い、蓮の前に立つ円。






「なにが『殺して』よ。やること残ってんじゃない。まさか、私にあの子を押し付けようとしてたわけ?」




「そんなつもりはなかったんだが…。」





呼吸が整ってきた蓮が立ち上がる。







「バカ娘に割く時間なんて持ってないわよ。昨日電話してきたから、何かと思って来てみたら…イギリスまできて、子供の面倒なんてみさされるなんてね。」




重い溜め息を吐く円。