「くっ………。」「…っ……。」
沙羅と冷子も倒れたままだった。
「お前達は強い、会長になれるくらいにな。だが、直線すぎだな。それでは私を倒すことはできないよ。」
「さすがは蓮。会長並みの3人が相手でも、強さの格が違う。」
アルフォードは少し離れたところで呟く。
「なるほど、3人の帰りが遅いと思えば…あなたですか。」
「「「会長!?」」」
眼鏡をかけた男が降りてくる。
「申し訳ありません、会長…。」
翼が力を振り絞り、男に土下座する。
「かまわん。いや、『北の狼』相手によくやったと言うべきか。」
「な!?あいつが?知らないって言ったのに…。」
沙羅が蓮を睨みつける。
「私の名前は北の狼なんかじゃないからな。」
「フハハハハ!おもしろい人だな。どうだ?俺の下につかないか?あんたを死なすには惜しい。」
「お前が虎閃の会長か?」
「虎閃学園2年、生徒会長、神北大雅(かみきた たいが)。」
蓮に頭を下げる大雅。
「悪いがお前に使う時間は持っていない。忙しいんだ私は。」
「そうか。俺より会いたい人がいるからな、あんたには。」
大雅が上を指差した。蓮は、その指の先を見る。
「久しぶり、ママ。」
白銀の髪の女の子が、そこにいた。
「やはり虎閃にいたか、バカ娘…。」
蓮が少し悲しそうな表情で言った。
