傘は言われた通りにやってみる。フォークをクルクル回してスプーンの上にキレイに円を描いたパスタができた。




傘はできたよと言うように蓮に見せる。







「えらいな、傘。」




傘の頭を優しく撫でる。






『えらいわね、傘。』




傘の頭の中に、優しく撫でてくれる母親の姿が思い浮かぶ。傘は少し顔を赤くしながら食べていった。




………………………。





……………。





……。






「それじゃ、またどこかでな。」





『バイバイ。』




人混みに消えていく蓮の背中に、傘は手を降り続けた。






「傘、やっと見つけたわ。」




後ろから虎閃学園の制服を着た女の子が近づいてきた。






『朝ご飯食べてた。ママみたいな人に会った。』



「へぇ〜。うらやましい、私もママに会いたいな。それより作戦会議が始まるから、早く行きましょう。」




傘の手を引く女の子の髪は、蓮の髪より光り輝く白銀だった。




…………………。




…………。




……。