「ああ、ちゃんと持ってきた。ほら、シャニーズの写真集。」
蓮が鞄から、男性アイドルユニットの写真集を出す。
『キャァァァァァ〜♪』
周りにいたメイド達が目を輝かせる。
「全員分は入りきらないから、配達を頼んでる。後で届くと思う。」
『蓮様サイコー!ありがとうございま〜す♪』
メイド達が頭を下げる。
「すまないな、こちらにはあまり娯楽がなくてね。」
ユリアが腰に手を当てながら言う。
「いいさ。それよりじいさんは?」
「ああ、中でお待ちだ。」
ユリアが蓮を案内する。
………………。
…………。
……。
一階にある大きなドアの前でユリアは止まり、ノックする。
「旦那様、蓮様がいらっしゃいました。」
「通してくれ。」
中からアルフォードの声が聞こえて、ユリアはドアを開く。
「久しいな。」
アルフォードは1人用のソファーに座り、葉巻を吸っていた。
「そうだな。」
笑みを浮かべながら蓮が答える。
「ありがとう、ユリア。下がってくれ。」
「はい。それでは失礼します。」
