コンピューターは、その指示に従い回転する。右翼が海にぶつかり折れる。次に左翼も折れて、機体は海に沈んだ。
『うわああああ!?』
折れた右翼とぶつかり、戦闘機一機が爆発する。
『ヒィィィィ!??』
もう一機、左翼とぶつかり爆発した。
『ウルフ4ー2と4ー3が巻き込まれた!?』
『クソッ!!2機を道連れにされた!』
リーダー格の男が叫ぶ。
『うわぁぁ!?』
通信機から仲間の声が聞こえる。
『どうし―――』
隣にいた仲間の方を見ると、仲間の戦闘機に蓮が張り付いていた。
蓮は風防をこじ開け、操縦者を放り出して戦闘機を奪った。
『こいつ!!』
もう1人の仲間が蓮の後ろに回り込む。
『遅い。』
通信機から蓮の声が聞こえたと同時に、旋回しながら宙返りして後ろを取り、機関銃でエンジンを破壊し、離脱する蓮。
『うああああああ〜!?』
悲鳴と共に機体は爆発した。
『1人で5機も…。』
呆気にとられていると、ピーピーと警告音が鳴り響く。
『しまった!ロックされ…フ、フレア!?』
気づいたときにはミサイルが着弾して、爆発した。
「あ〜。あ〜。じいさん、聞こえるか?」
通信機のチャンネルを合わせる。
『聞こえている。すまなかった…。』
「久しぶりに刺激のある空の旅だったよ。もうすぐ着く。」
