「それで彩華さんに1人でマネージャーの依頼をさせてたんですね。」
「そうだ。だが結果はお前が体験した通り、まったく治っていない。」
腕を組んで溜め息を吐く蓮。
「でも、どうして人依存症なんかに?」
「私のせいなんだ…。これでも昔は体が弱くてな、調子がいいときは菫達と遊んだりしていたが、悪いときは3日くらい部屋から出れなかった。」
「それが関係してるんですか?」
「そのときの話をしよう。」
………………………。
……………。
……。
【14年前】
とある家の部屋に長い銀髪の女の子がいた。神崎蓮3歳。
蓮はベッドで寝ていたが、近所の同じ年くらいの子供の声を聞いて、体を起こし窓から元気よく走っていく姿を見ていた。
そして自分の家の前に立つ、長い紫色の髪の女の子と金髪で縦巻きロールの女の子。龍堂菫と天条麗花である。2人がこちらを見ていることに気づく。
蓮は無理に作った笑顔で首を横に振った。2人は悲しそうな顔をして、隣である菫の家に入っていった。
そんな2人を見た蓮はうつむきながら、ギュッと拳を握る。
