「お初にお目にかかる。」
そう言って頭を下げる。
「は?」
直樹は理解できなかった。そこにいたのは人ではなくペンギンで、人の言葉を喋っているからだ。
「私の名前はフンボルト・ローム・アダムス。アダムと呼んでくれ。」
ペンギンが名前を名乗った。
「おかしいだろ!何でペンギンが言葉喋ってんだよ!おかしいだろ、みん――――」
同意を得ようと彩華達を見ようとしたとき…。
「「「「かわいい〜!」」」」
女子はペンギンの愛くるしさに陥落していた。
「あはは…。もうどうでもいいや。」
色々とあきらめた直樹だった。
…………………。
…………。
……。
「それではサバイバルの訓練を始めよう。まずは基本である食料の確保だ。今日は魚を捕ってみよう。さあ、湖に入れ。」
「ちょっと…。私達は水着持ってきてないわよ。」
遥が腕組みしながら言った。
「君はサバイバルをわかっていないな。服を着たままに決まっているだろう!!まあ、ブレザーは脱いでおいた方がいい。さあ!魚を捕ってこい!!」
アダムが怒りながら言う。
