男同士じゃないのだ。彼の目には、あの揺れるスカートが目に入らないのだろうか。






「いい度胸してるじゃないか1年。いいだろう、次狼が来るまで相手をしてやる。さぁ、漢同士で熱いバトルをやろう。」




「こっちも違う解釈していらっしゃる!!」




男同士と漢同士、似ているようで違うモノ。
些細な言葉の違いを、お互い間違った解釈をしたバトルが始まった。







雄叫びにも似た掛け声と共に悠斗がパンチを繰り出す。それに動じることなく拳を避け、悠斗のボディに小森さんの蹴りを入れる。






鈍い音と共に、悠斗の巨体が飛び、こっちまで転がってくる。







「なんて重てぇ一撃だ…。」





「悠斗、大丈夫か!?」





「大丈夫だ安心しろ、直樹。」




悠斗が立ち上がり、フェイントを混ぜた攻撃で動きを観察しながら戦うが、またもや吹っ飛ばされる。これを何十回繰り返しただろうか。






悠斗がこちらに吹き飛んでくる。





「足を攻撃しよう。」





「まかしとけ!!」




吹き飛ぶ。








「敵には攻撃パターンがある、見極めて完璧に回避しよう。」




「よっしゃ!!」





吹き飛ぶ。







「部位破壊を狙おう、落とし穴を使って一斉攻撃だ!」




「確かにそれが狩りの基本…………って、さっきからゲームで遊んでんじゃねぇよ、直樹!!」





「ああ、ゴメン。あまりにも長いから…。」





「嘘だ!三回目くらいからゲームしてたじゃねぇか!!」






気づいていたのに、止めずに体を張って最後にノリツッコミをするとは、悠斗のお笑いへの情熱に思わず涙が出る直樹。