無名県に平和が訪れて一週間が経ち、5月になったある休日の朝。生徒会室の前に、風紀委員長と副委員長の真里香と悠斗が立っていた。
「ようやくね…。」
「そうだな、まさか本当になっちまうとは…。」
2人は同時にドアを開ける。
「「おはようございます、会長。」」
会長席に座る女の子に挨拶する2人。
「おはよ、2人とも。」
朝日に輝く銀色の髪を黒のリボンでポニーテールにしている。龍堂学園生徒会長、神崎彩華である。
昨日、蓮達が仕事内容を教え終わり、生徒会を完全に引退した。それはつまり、彩華が正式な会長となり、風紀委員の実権を得たこととなる。
「本当に…会長になったのね…。」
涙ぐみながら言う真里香。
「お待たせ、真里香ちゃん。」
「彩華〜!」
真里香が彩華に抱きつきながら大泣きする。
「おはよ…って、何やってんの?キモっ。」
入ってきたのは生徒会・会計の神谷遥。
「仲がいいのは良いことだ。」
遥の後に入ってきたのは生徒会・書記の南条沙織。