「力を使ったのね。」
「ああ…。」
「次狼達との約束破ったのね。」
「ああ…。」
「私はまた止められなかったのね…。」
蓮の頭を撫でながら言う円。
「円…。」
「聞きたくないわ。」
蓮が言おうとしたことがわかり、円は蓮から視線を逸らす。
「殺してくれ…。」
ドーンと2人の横に天井の一部が落ちた。
「これで2度目ね、その言葉。でもイヤ。だってまだ時間は残ってるんでしょう?もう少し楽しんで、思い残すことが無くなれば……その時、私が殺してあげる。」
「楽しむ?」
「付き合ってみるとかね。」
「こんな…男か女かもわからない私がか?」
「わからなくないわ。あなたは今も昔も、素敵で、かわいい女の子よ…。」
円は蓮を抱え上げて、出口へと走った。
………………………。
……………。
……。
【龍堂学園】
校門近くに元生徒会メンバー、麗花と総一郎、新生徒会メンバーと直樹、悠斗と真里香、そして鳳凰学園の部隊がいた。
「蓮は保健室に運んでおいたわ。」
円が校舎から出てきて次狼達に言う。
「礼を言う。」
「かまわないわ。」
沈黙が訪れ、気まずい空気になる。
