蓮がいる階のさらに下に、部屋がある。そこにある大型モニターにはロボットからの映像が映し出され、たった今消えた。
「素晴らしい。たった1人で最新型を倒すとは。」
眼鏡をかけた老人が言う。
「しかも、未だに力を制御している。普通なら精神を乗っ取られるのに。」
隣に座る老人が言う。
「完璧な存在だな、死なすには惜しい。」
向かいに座る老人が言う。
「たった1人で10万の軍隊を全滅させ、北の狼と呼ばれ恐れられただけはある。しかし、あの力の代償は寿命。」
その隣に座る老人が言う。
「我らが望む指導者に相応しいが、敵対するなら必要は無い。この戦いでまた寿命を削った、ヤツの死は近い。小林はいい仕事をしてくれたよ。さあ、皆、本土へ戻ろう。」
中央に座っていたリーダー格の老人が立ち上がる。それを見た他の老人も立ち上がる。
不意に部屋のドアが開く。そこには全身に血を浴びた円がいた。
「ごきげんよう。」
「ほう、生きておったか。さすがは南の吸血鬼よ。何か用か?」
リーダー格の老人が言う。
「殺しに来たの。」
「ホホホ、何を言っておる。今まで我らがどれだけ支援してきたか、忘れたわけで――――」
眼鏡をかけた老人の首が飛んだ。リーダー格以外の老人が怯える。
