そしてロボットに銃を向ける。引き金を引こうするが、力が入らず撃てない。
「これが最強と言われた者の成れの果て…ですか。」
もう一度、蓮を吹き飛ばす。銃は飛び、蓮は壁にぶつかる。
「今、楽にしてあげますよ。」
蓮を掴み上げて、徐々に締め付けている。
「止めろーーー!!」
直樹が蓮の銃を左手で拾い、ロボットの頭部を撃つ。反動が強すぎて、直樹は後ろへ倒れる。
「な…おき…。」
「ふははは!これはいい。神崎蓮、あなたを殺す前に、大切なあの少年を殺してあげますよ。」
蓮を放り投げて、直樹へと近づく。
「止めろ……直樹に…手を、出すな…。」
体を起こそうとしたとき、ブレザーの内ポケットから薬の入った小さなビンが落ちた。蓮はそのビンを見つめていた。思い浮かぶのは友の顔だった。
『力を欲するか?』
蓮の頭に声が響き渡る。
「(ああ、力をよこせ。)」
『わかった。力を与えよう。』
声が消える。
「(許してくれ。最初で最後、約束を破る…。)」
そして入っていた薬を全て飲む。
