「私が開発した強化スーツです。『怖い人』が来る前に試験運転をする予定だったのですが……ちょうどいいですね、あなたに手伝ってもらいましょう。勝てたら彼女を返してあげてもいいですよ?ああ、武器は何を使ってもかまいません。」
「わかったわ。」
遥は頷き前に出る。
「それでは始めましょう。」
小林は強化スーツを着た人に目で合図する。
「了解。」
声からして男だろう。返事をして前に出た。
「どこからでも来るといい、お嬢ちゃん。」
「なら遠慮無く。」
遥はためらいなくグレネードランチャーの引き金を引く。轟音と共に男に直撃する。
「フフフ。それだけか?」
男は立っていた。スーツには傷一つなく。そしてゆっくり歩いてくる。遥は撃ち続けるが、直撃しても男は歩いてくる。
「どうして弾が利かないの?特殊合金でも傷くらいはつくでしょ?」
「もはや特殊合金は時代遅れ、今はバルガ鉱石。」
「バルガ鉱石?」
初めて聞く名前に戸惑う遥。
