「悠斗か、どうした?」
『蓮さん、直樹と遥は見つけたんだけど、彩華が装甲車に乗せられて、また連れ去られたみたいでさ。2人は後を追って行っちまうし、俺も追った方がいいッスか?』
「装甲車?」
『政府がなんとかって言ってたんですけど。』
「お前は行くな!すぐに学園へ戻れ、優華達にも連絡しておけ。俺が行くから寮で待ってろと言っとけ。」
蓮はバイクの横まで歩いて行き、銀狼を前輪の左右の横に付いてある鞘のような場所へ入れる。
「直樹達は俺があげたバイクに乗ってたんだな?」
『はい、そうですけど。』
「よし、わかった。悠斗、すぐに戻るんだぞ、いいな?」
『はい!』
インカムを切って、バイクのエンジンをかける。
「ちょっと…どこ行く気よ…。」
円が体を起こしながら言う。
「悪いが円、後は任せる。」
そう言って、蓮はバイクで走り去った。
「円!遥から連絡で政府のヤツらが介入してきたらしい。人質をさらわれたようだ!」
豹雅が円に駆け寄る。
「政府の老いぼれが…。手を出すなとあれほど言っておいたのに…。なるほど、だから『後は任せる』か。」
蓮の言葉の意味を理解する円。
「豹雅、悪いけど刹那達を連れてきてくれない?もうすぐ政府の討伐部隊が来るわ。」
円は刀を支えにして立ち上がる。軽い傷は治ってきているが、重傷のところはまだ血が流れている。
「龍堂とセントリーはどうする?」
