「心配してくれてありがとう、遥。でも助けなきゃいけないんだ、大切な仲間を。」
遥が生きていたことに安心し、直樹の震えは止まった。
「わかった、私も行くわ。」
掴んでいた直樹の腕を離す。
「そうか、でも…その前に、服着たほうがいい…。」
顔を赤くしながら、直樹は自分のブレザーを差し出す。
「え?うわぁぁぁぁ〜!?」
目線を下にすると、上半身が裸なことに気づく。直樹からブレザーを受け取り、それを着る。
「お〜い!直樹〜!!」
遠くから悠斗が走ってきた。
………………………。
……………。
……。
【南北境界線】
至近距離で技を受けた円が体を血で赤く染めながら倒れていた。
「(傷が治りにくい…。ダメージが許容範囲を越えたのね、久々に痛みを感じるなんて、なんて技よ…。)」
目線を下げると、蓮が前に立っていた。
「俺の勝ち―――」
ピーッピーッピーッとインカムが鳴る。蓮は通話ボタンを押した。
