「麗花のあの技を?なら無敵じゃないか。」




菫が笑いながら言った。





「言ったでしょ、菫。蓮のあの技は、『すべて』を斬り刻むのよ。」




そう言って、麗花は指を指す。菫達はその先を見た。






「ごほっ…。」




蓮の腹部に、爪で切り裂かれたように3つの切り傷があった。






「攻撃範囲が広すぎて、自分すら傷つける技なの。最適な位置取りをしても、あれくらいのダメージを受ける。私の氷龍と同じで無敵とは程遠い諸刃の剣よ…。」




…………………。





…………。





……。






【北部無名公園】




ドンッ、ドンッと銃声が響く。弾は遥の近くに当たるが、遥は歩くのを止めない。威嚇射撃であることをわかっているからである。






「み〜つけた!」




遥は隠れていた直樹を見つける。






「くっ!?あっ…。」




とっさに銃を向けるが遥に腕を掴まれる。






「人を撃ったことないんでしょ?なら私で練習すればいいわ。」





遥は直樹の銃を自分の胸に押し当てる。遥の胸の膨らみが銃を押し当てたことにより歪む。