菫が蓮に言う。
「たまにしか乗らないからな。」
「そうそう、次狼からメールが届いたぞ。負けたそうだ。」
その言葉に蓮が笑う。
「あはは。そうか、倒したか〜。少しは強くなったか。」
「しかし、少し危なかったらしいぞ?」
「危ない事をさせてでも、強くなってもらわないとな…。」
バイクに座りながら蓮が言う。
「それは、妹に?それとも…、彼にかい?」
「アイツに意志があれば…。それまでは、あの子と一緒に頑張ってもらうさ。」
蓮がバイクから降りて、工具を片付ける。
「それより蓮、少し髪が長くなってる。声も少し高くなっているぞ。」
「明日は俺はいないぜ。期待するなら、明後日の月曜だな。その日まで変わっているかは、わからないけどな。」
工具をケースにしまい、立ち上がる。
「期待して待っておこう。あの姿を見るのは久しぶりだからな。」
「はいはい、早く戻ろうぜ。」
ライトを消して、2人が寮へと歩き出した。