「あら?」




円はセントリーの生徒が走ってきた方を見る。空に竜巻が発生していた。





「あの技じゃ、さすがに魔里と魔由も負けたわね。まあいいわ、始めましょう。」





「菫と賭けをしようとしてたんだろ?俺達も何か賭けるか?」





「そうね。なら、私が勝ったら…蓮、あなたにはすぐに入院してもらうわ!」




蓮を指差して真剣な顔をする円。







「え…。」「あいつ…。」「円…。」




雪、次狼、菫は目を丸くして呟いた。






「私は菫達のように、あなたの好きなように生きさせるなんて考えれないし、できないの。あなたを動けないようにしてでも、少しでも長く生きてほしいのよ。」





「なら、俺が勝ったら…鳳凰学園は龍堂学園及び、その同盟校への攻撃を行わない。これに期限は無い、永遠だ。」




「いいわ。」




腕組みしながら頷く。






「円!」




豹雅が上から何かを投げる。円はそれを掴み取った。それは金の刺繍で鳳凰と書かれた長い学ラン、それに袖を通し、円は鞘から刀を抜く。






「あの日を思い出すわね。」




「2年前の、お前が大泣きした日のことか?」




「今日こそ必ず止めてみせる。」




「やってみな。」




お互いに剣を前に突き出す。






「お互いの誇りと…」




「守るべき物のために…」



「「勝負!!」」






金属と金属がぶつかる高い音が響き渡る。