「遅かったじゃない。」




円が笑顔で言った。





「悪かった、少し道が混んでいてな。」




蓮は菫の隣まで歩いていく。






「蓮…。どうしてこっちに……彩華がさらわれたのに。」




蓮は菫の頭にポンと手を置く。





「気を使ってもらったらしいな。」




「どういたしまして。」




蓮と円が笑いながら話す。菫達は意味がわからず困惑する。






「でも、遥はあの男の子に興味あるみたいだから、ちょっと暴走するかもね。」




「沙織には悪いが、直樹達を戦場から引き離してくれたことには感謝している。それに遥の気持ちは知っている。誰を選ぶかは直樹しだいだ。」





「あ…。」




ようやく理解する菫達。





「下がってろ、菫。」




蓮の言葉に頷き、菫は2人から離れる。




「悪いが次狼達も解放してくれないか?風邪を引いてしまう。」





「そうね、あなたが来し、もう彼らに興味はないわ。」




円は豹雅に目で合図を送る。豹雅は頷き、長振動発生装置のボタンを押して止める。






そして、今到着したセントリーの生徒に引き上げられた。