円が白木造りの長刀を持って、高台から菫を見下ろす。






「あれはあなたの負けでしょう?次狼がいなきゃ死んでたしね。態度がデカいんじゃない?」





「どうすれば戦う?」





「そうね、全部隊の攻撃に耐えてみなさい。全員、菫に一斉射撃!!」




円の言葉に、全部隊が菫に攻撃を開始する。菫は刀で弾を弾き飛ばしていく。






「ほらほら、頑張りなさいよ?一発でも外せば、後ろにいる人に当たっちゃうわ。」





「くっ…。」




数10分後、菫は全ての弾を弾き飛ばした。






「これでいいか?」




少し息を切らしながら菫が円を見る。






「まあいいわ。蓮が来るまでの暇潰しにはちょうどいいし。」




高台から飛び降りて、円は菫の前に立つ。






「前よりは楽しめそうね。」




「私が勝ったら、鳳凰へ帰ってもらう。」




「あら、条件付き?なら私が勝ったら…蓮をもらうわ。」




菫に刀を向ける。







「なんだと?」




「だから蓮。蓮をもらう、そう言ったの。それとも、今ここで射撃の合図を出しましょうか?」




鳳凰の部隊が次狼達に銃を向けた。





「いいだろう。私が負けたら蓮を渡――――」




「していいわけねぇ〜だろ。」




聞き慣れた声に、全員が振り向く。






「勝手に賭の賞品にするんじゃねぇ〜よ。」




赤いバイクから下りて、刀身に銀狼と彫られた、2つの剣を合わせたような両剣を持ち、龍堂と金の刺繍の長いブレザーを着て、左耳にインカムをつけた蓮が現れた。