「ごめん、総一郎。境界線まで…連れて行って…。」
今までの戦闘のダメージ、さらに氷を長時間、身に纏っていたので、体は限界を越えている。
「その体では、もう戦えません。」
「たとえ…戦えなくても、見届けなきゃ…いけないの。お願い…。」
「仰せのままに。」
麗花を抱き上げる。総一郎は刹那を見たが、彼女の目は「私の負けよ、行きなさい。」と言っていた。総一郎は軽く頭を下げて、境界線へと走った。
こうして1つの戦いが終わった。セントリーと鳳凰の戦いは、セントリーの勝利となった。
………………………。
……………。
……。
【南北境界線】
「くっ、動けん!」
必死に川から出ようとするが、抜け出せなかった。
「(すまない、沙織…。攻めるなと聞いていたのに…。)」
目を閉じ、奥歯を噛み締めながら謝罪する次狼。
「射撃用意!!」
豹雅の声と共に、高台から鳳凰の精鋭が銃を構える。
「(ここまでなのか…。蓮……バカな俺を許してくれ。)」
「撃てぇぇぇ!!」
豹雅が叫ぶ。全員がトリガーを引く。
「龍堂破現流・二刀居合い型(にとういあいがた)、翼龍剛壁陣(よくりゅうごうへきじん)!!」
まるで翼龍が翼を広げたかのように、巨大な衝撃波が次狼達を銃弾から守る。
「神谷円!!あの時の決着をつける、私と戦え!!」
「あらあら、イノシシだから真っ先に策にハマっていたと思ってたのに。意外ね。」
