魔里は麗花の姿に驚いた。徐々に氷が麗花を包み込んでいき、氷の鎧を身に纏う麗花がいたのだ。





「この氷は一定温度に保たれているわ。さあ、ギブアップする?それともこのまま死ぬ?」





「ナメないで…。私は神谷魔里…。神谷円の妹、私の…負けはお姉様の負けになるの…。だから……負けられない!」




すでに感覚の無い手でハルバートを持ち、動けない魔由の前に立つ。






「魔里ちゃんだっけ?あなたは偉いわ。誇りと妹を守ろうとする姿は驚嘆(きょうたん)します。だからもう一度問(と)いましょう。」




麗花は氷龍迅牙を地に突き刺す。その衝撃は地面の奥底まで走る。地面が揺れて、水が噴き出す。その水は竜巻に吸い込まれるように氷ながら上へと上がっていく。




……………。



………。



…。






「魔里!魔由!」




刹那が竜巻の中へ入ろうとする。しかし総一郎が行く手を阻む。







「今、中の気温は約マイナス90℃だ。不死身でもないお前が入ればただじゃすまないぞ。」





「あんたの主人も死ぬわよ…。」





「フッ。あの方を誰だと思っている?」




総一郎は笑っていた。




…………。



……。



…。





上へ上がっていた氷が落ちてくる。いや、正確には下りてくる。龍の形になりながら。