弾が当たったかと思えば、ひらりと避ける。
「サグとは違うのだよ、サグとは!!」
確かに違う、猫だし。決してモ○ルスーツではない。
弾をかわして、猫スーツがジャンプする。
「空中なら!」
頭を狙い、トリガーを引く。
「っ…………。」
ドンと低く鈍い音と共に腕に反動がくる。
パリンッと弾が猫スーツの右目に当たり壊れ、衝撃で吹っ飛ぶ。
「やった……。」
力が抜けて、直樹はその場に座り込む。
「直樹く〜ん。安心して座ってるとこ悪いんだけど…。ちょっとヤバイかも……。」
彩華の指差す方を見ると。
「右カメラ破損、特に問題無し。バッテリー、予備バッテリー破損、非常用バッテリーに変更します。音声データ破損、通常音声に変更します。侵入者による本体へのダメージを確認、捕縛モードから戦闘モードに移行。」
バチバチと火花を出しながら、システム音声が鳴る。
「流石に逃げようよ、彩華さん…。」
「そうだね…。」
立ち上がって、走り出しして階段を駆け降りる。
「非常用バッテリーでの戦闘可能時間は10分。10分以内に侵入者を殲滅します。」
左目の光りが赤色から青色に変わり、走る。
……………………。
……………。
………。
「とりあえず別館から出よう!」
「りょうか〜い。」
