「完全再生。例え首を斬られても、体を押しつぶされても、生き返る。それが私の能力。だから私は銃は使わない。心臓に達するくらいの剣があればいい。」




適(かな)わぬ相手と知り、女子生徒はその場に座り込む。






「寿命がくるまで、私は死ぬことを許されない。」




女子生徒の顔を覗き込みながら話す。






「それじゃ、死んでね。」



動かなくなった2人を見下ろしながら、遥は中庭にいる直樹に目を向ける。






「劇とは違って、私は本当に逃がさないからね……直樹。」




そんな遥を、ドアの隙間から見ていた人物がいた。





「あの子が南の代表の妹か…。直樹ちゃんも大変ね。」




真由香だった。彼女は音を立てずにドアを閉めて、その場を立ち去った。