「なぜ邪魔をする、神谷遥。」
「こいつが代表の妹!?どうして私達の邪魔を…。」
女子生徒がギロッと遥を睨みつける。
「卒業祭に紛れて入ってきて、邪魔をしているのはそっちでしょう?まだお姉様は開戦を宣言していない。これは明らかな反乱行為よ。」
「あんたの姉がいつまで経っても行動しないからでしょう!?私達が開戦の狼煙(のろし)を上げてあげるの!」
「ああ、そう。」
眼鏡を外して短剣を取り出す。
「反乱行為もムカつくけど、一番ムカつくのは……。」
ポケットから赤い液体が入った試験管を取り出して、それを飲み干す。
「私の直樹を殺そうとしたことよ。」
ゆっくりと歩き出す。
「死になさい!」
女子生徒が銃を乱射する。銃にはサプレッサー(消音器)がついていて、小さな発砲音が数回聞こえた。
弾は遥の体に当たるが、遥は気にせず歩いてくる。
「どうして死なないのよ…。」
「こいつも代表と同じか!?頭を狙え!」
男子生徒の指示に従い、女子生徒は狙いを定めてトリガーを引いた。
弾は遥の眉間に当たり、遥は後ろに倒れ、その衝撃でカラーコンタクトが1つ落ちて転がっていく。
男子生徒はゴルフバックから刀を取り出して遥に近づく。
「何するの?」
「向こうを向いてろ。今から首を斬る。見るもんじゃない。」
女子生徒は耳を塞ぎながら空を眺めた。しばらくして男子生徒が戻ってきた。
