「お前の功績から見て、会長の任期は3年の末まではある。早かったんじゃないか?」
「あの子には早く自覚してもらわないとな。会長という重圧に潰れそうになったとき、そばにいた方がいいだろう。それに…。」
「それに?」
「事実上、俺は会長ではなくなった。つまり遊び放題だ!」
「まったく…それが本音か。」
溜め息混じりに呟く次狼。雪も同じように溜め息を吐いて、菫は笑っていた。
………………………。
……………。
……。
【生徒会室】
そこには蓮1人だけいた。
「時の流れは速いな…。」
懐かしむように部屋を見回す。
「ようやくここまできた。後は彩華と直樹を―――ゴホッ、ゴホッ、ガハッ!?」
急に咳き込み、口を手で押さえる。その手には血がついていた。
『我の存在を忘れていたのか?』
それは蓮のだけに聞こえる声だった。
「忘れるはずがない…。」
『この痛みに悲鳴を上げなかったのは、驚嘆に値するが…今からでも遅くはない、悲鳴を上げてみろ。少しは楽になるかもしれんぞ?』
「黙ってろ、病原体(ウイルス)が!!」
『まあいい。せいぜい残りの生を楽しむがいい。』
その声は、水の波紋のように頭の中に響き渡り、そして消えた。
「卒業するまで、大人しくしてろ…。卒業したら、この命…お前にくれてやる。」
