「いや、逆に引けなくなったぜ!」
直子に近づき、顔を覗き込む。
「何をしてるんだ、お前は。」
振り返ると蓮が立っていた。
「………………へ?」
「お前…そっちに目覚めたのか?」
かわいそうな物を見るような目で悠斗を見て、おもむろにケータイを取り出す。
「俺だ。悠斗が手を出した。」
電話を切ると同時に、廊下から足音が2つ聞こえてくる。
「「悠斗〜!!」」
彩華と真里香が鬼の形相で部屋に入ってくる。
「私の直子に手を出すなんて……殺す!!」
「待ちなさい彩華。彼氏の始末は私がつけるわ。私が殺す!!」
「よし、俺も混ざろう。」
目をギラつかせた3人がゆっくりと悠斗に近づいていく。
「やめてくれ〜!!」
………………………。
……………。
……。
「う〜ん!よく寝たわ。」
軽く伸びをしながら直子が目を覚ます。
「あら?悠斗さん、床で寝ると風邪を引きますよ?」
床に倒れている悠斗に毛布をかけてあげた。
「さあ、着替えて朝ご飯を作りましょう!」
寝室から出て行った。
………………。
………。
…。
