その後、練習を続けて今日は終わった。
【直樹と悠斗の部屋】
「ふぅ〜。サッパリした。」
悠斗がパジャマ代わりのジャージに着替えて風呂から出てきた。ワックスでツンツンにしている髪もサラサラになって、下ろしている髪は目の上くらいまである。
「それでは悠斗さん、私は先に寝ますね。」
風呂には入ったが、ウイッグをつけている直子が寝室へ入っていった。
「はぁ…。いつになったら治るんだ?」
溜め息を吐きながら、悠斗も寝室へ入った。
悠斗は自分のベッドに座りながら、すでに寝ている直子を見ていた。
「まさか中身まで女になっちまうなんて…。しかし、ちょっとかわいいかも。」
身を乗り出して、直子の顔を覗き込もうとしたとき、電話が鳴った。
「彩華から?珍しいな。はい、もしも―――」
『私の直子に手を出したら……殺すよ。』
ブツッ。ツー、ツー、ツー。
「隠しカメラでもあるのか!?」
部屋を見渡していると、また電話がなる。彩華だろうと思い、ディスプレイを見ずに電話を取ると。
「もしも―――」
『悠斗。男に手を出したら……殺すから。』
ブツッ。ツー、ツー、ツー。
真里香の低い声に、悠斗は顔が青くなる。
