「ええ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう、優華さん。」




にっこり微笑む直樹の口調は女の子だった。






「直樹さん…本当に女の子に?」




「ウフフ、私は初めから女ですよ。」




「私の…私の直子じゃ〜!!」




彩華が後ろから抱きつく。






「もう、重いよ彩華さん。」





「ぐへへへ。この乳は私の物じゃ〜!!」





「止めなさい。」




真里香が手刀を入れて、彩華が気絶する。






「ヨッシャ〜!この調子で配役決めていくぞ〜!!」





『おお〜!!』





クラスが1つになった瞬間だった。




………………………。





……………。





……。






教室で配役を決めていき、決まった人から体育へ移動する。






そして、初めから役が決まっていた直樹(直子)と優華。そして倍率が一番高かった主人公の夫役を見事勝ち取った彩華、友人役の真里香、主人公が好きな幼馴染み役の悠斗、裏方担当の拓也が劇に必要な物を借りるために生徒会室に向かって歩いていた。






途中にある他のクラスの生徒達は見慣れない直子をじっと眺めていた。